廃墟にて

この作品は2004年5月に撮影した。
珍しく自宅以外、生駒山以外での撮影である。この頃知り合った辻谷氏お勧めの廃墟だった。
作品としても珍しくストーリーなしで、場所とモデルさんの雰囲気だけで撮影している。
彼女の長い髪と細長い手足に助けられている。

しかしこの作品の気分はこれで完結しなかった。8月に同じ場所でストーリー付きで、
再度別の方で撮影する事になる。
しかし気分は同じでも人物が違うと、全く違う雰囲気となる。
多くのモデルさんと出会えると、それだけで世界が広がるようだ。
8月に撮影されたものは現在11月末に発売のスナイパー誌にて掲載。

この頃は春から初夏にかけて、ドイツでの写真集の為に撮影しなくてはならない作品があったが、
モデルさんが鬱の為、延び延びとなってしまっていた。
日誌を見ると、 それをいいことに4月5月とバス釣りばかり行っていたようだ。
3日に一度は山奥の野池へと出かけている。

山中の野池も廃墟も何処か似ている。
どちらも静まり返って何も居ないようだが、何処かに何かがひっそりと居る。
何かを見つけるのはセンスだろうか。

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