「ねむり姫と人形愛」について
私は以前から 私の眠り姫対する嗜好と人形愛は同質のものではないかと考えていた。
「眠り姫」またの名を「いばら姫」または「眠れる森の美女」というお話には、以前より大いにエロティックな妄想をかき立てられてきた。
天使のように愛らしく、鴬のように美しく唄い、何より国中で一番美しい一五、六才の少女が件の姫君である。その姫君が豪奢なアンティークの衣装を身にまとい、天蓋のあるベッドで百年の眠りについている。私はそのイメージに甘いエロスを嗅がない訳にはいかないのだ。
そのシュチエーションに淫らな衝動を覚えるのは或る種人形愛に通ずるものがあるような気がする。 自ら語り出さない受け身の存在である美しく眠る姫君は性ある人形のようでエロティックなイメージは昂まるのである。
もし私が選ばれし王子ならば、仙女に頼み姫君に触れても呪いが解けることなく計らってもらうだろう。古より姫君の衣装とは脱がせる楽しみを味わう為に複雑になっているものだ。宝石をひとつづつ慎重に外し、幾重にも重ねられたスカートやペチコートの裾を一枚づつたくしあげるのは、なんと素敵な労働であろうか。時間はたっぷり過ぎるほどある。姫君はいつまでも眠っている、おまけに歳をとらない。私は思い存分茨の秘所で、この美しい少女を愛でるであろう。