この作品は2005年の1月末から撮り始めている。撮影地は近所の山中、自宅の屋根裏とトイレ。水洗トイレの方を使うのは初めてである。
この作品でメディカル・ロリータ(そんなジャンルがあるのならば)みたいなものに目覚めた。
この作品の次に「指に咲く薔薇」という作品を撮るのだけれど、その時点でメディカル度はかなり進むことになる。
下の文章はスナイパー掲載時に付けたもの。

 


「もう森へは戻れない」

森でひとり遊んでいたら、大きな黒ウサギが横切ったの。
私は少女の一人としてコイツを追いかけなくちゃいけないと反射的に体が動いた。
大抵の少女はウサギに付いていったらワクワクがあるってコト知ってるからね。
ところが三歩も行かないうちに黒ウサギはこちらへ向き直り
「どうして付いてくる?」と詰め寄って来るじゃない。
私は予想していない展開にドギマギしながらも心の内をトロしちゃったの。

「優しくされたいの」

「じゃあ眼帯でもすれば。人は君を哀れむよ」
「でも、病気でもないのに出来ないわ」と言うと
黒ウサギは突然私の顔を殴りつけたの。
目から星がホントに出たわ。
そのまま気を失い、目が覚めたら私は大オトコに担がれていた。
そして目には真っ白な眼帯が当てられていたの。

「素敵よ」って

私は呟いた。

大オトコは私をトイレにラチると(オトコはセッチンヅメって言ったけど)
ぬいぐるみをいっぱいくれて体中に包帯を巻いて優しくしてくれたの。
黒ウサギの言う事もまんざらウソじゃないみたい。
でもサイアクなのはこのオトコ、毎日お腹に浣腸器で空気を入れるコト。変なシュミしてる。
で、ついに私は直腸壁酸素過多ナンチャラ症って、いつでも大量の酸素のいる病気になっちゃった。
私は暗い狭い病室の中で、鼻の穴から口の穴からお尻の穴からアソコの穴からまでも
大量に酸素を送り込まれている。
もうこれでもかってくらいに。

これってサイアクだけどチョイ幸せかもって気がするの。

快感は一瞬の事だけど幸せは継続するものだよって

病院のセンセも言ってくれた。
だとするといつも優しくかまわれているって最高に幸せじゃんって思うことにした。

私って前向きだからね。

そして実は快楽もある。
穴に差し込まれたチューブを交換する一瞬、
「うっ!」
と思わず声が出ちゃうくらい感じちゃう。でも、気持ちいいのは内緒だよ。
子供が感じるなんてチョイ不味いからね。

じゃあ、またね。

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